2011年11月29日火曜日

文化の日について考える

生徒の皆さん、おはようございます。さて、今月三日は文化の日です。文化という概念についてはこれまでたびたびお話をしてきましたように、人間がこの地球環境に、あるいは社会環境に働きかけて創造した総体を示す言葉です。その人間の数が、昨日でついに70億人を突破したという報道がありました。今から50年前、約30億人であった人口が半世紀を経て2倍以上になったということになります。この間、世界人口白書によれば、世界人口計画として、人口爆発を起こしつつあったアジア、アフリカ、中南米諸国に対し、性教育の充実、晩婚化の奨励など、様々な指導計画を明らかにし実施して参りましたが、その成果は見られず、国によってはむしろ増加の原因を作ることになったりして、今日の人口爆発となり、人口百億という時代がもう20年後には到来すると予測しています。

ところで、我が国は世界の途上国とは全く逆の人口動態となっており、世界でまれにみる高齢化の進行、そして少子化、女性の未婚など、今後30年の間に人口が1億を下回る予想も出ています。日本の歴史が始まって以来、戦争によって人口が減る年があったにしても、それは例外であり、自然人口がここまで急激に減少するということは人類の歴史の中でも稀有な事実です。どの国にあっても、平和な時代、人口は常に右肩上がりで増え続け、どの家庭にも子供たちの元気な声が聞こえ、子供の成長が大人たちの明日への活力の源につながっていました。

しかし、今、都会から、地方都市から、町から、村から、島から、子供たちの元気な遊び声が消えています。また若き人々が、公園のベンチから、映画館から、遊園地から、消えて、今、公園のベンチに朝から日向ぼっこをする老人たちが増えました。ほんの10年位前、ホテルのランチは若い女性たちが中心で、そこに中年のおばさん集団がたむろするというのが一般的な風景でしたが、今は、一番多くなってきたのは女性高齢者の集団です。これだけ老人が増加するというのは、国そのものが老齢化しているということであり、それだけ勢いもなくなってきていることを意味します。国民の平均年齢が高齢化するというのは、政治も経済も、すべての文化活動が停滞することになるといっても過言ではないでしょう。

最近、私たちの国は国際政治の上で、企業活動の上で、研究活動の上で、あらゆる分野で勢いを失っていると思います。これらの勢いをもう一度取り戻すように努力することが、これからの日本人の使命と語るべきなのか、それとも、高齢社会という現実を受け入れ、その現実に適応するように、人間の活動を制御すべきと語るべきなのか、私は迷います。どんなにいいことを言っても、日本が目指す福祉社会の未来は闇の中に入る気がしてならないのです。

さて、生徒の皆さんはこのような社会を生き生きと力強く生き抜くためにいかにあるべきかをこの文化の日に問いただしていただきたいと思います。
さて、本日の話はこれで終わりです。本日も私の話に耳を傾けていただき、感謝します。どうも有り難う。

                (11月1日 合同朝礼)