2011年12月17日土曜日

国家の繁栄とは

生徒の皆さん、おはようございます。昨日あたりから急に冷え込みが厳しくなりました。それに伴って風邪をひく人もたくさん出てくるのではないかと心配しています。何よりも健康であることが大切です。薄着をして風邪をひかないように、心がけてください。ところで、以前、ギリシアという地中海に君臨したことのある国家が大変な状況にあるという話をいたしましたが、最近、また、イタリアが同じような状況に追い込まれそうだ、更に、スペインも、といった評価がマスメデイアを通して伝わってきました。いずれの国もかつて、世界に誇る繁栄を築いた国ばかりです。

イタリアは、ローマ世界帝国として1000年の繁栄を見た国であり、更にスペインは太陽の沈むことのない領土を保有した国、現在の南米、北米のほとんどを植民地とする巨大な帝国でした。これらの国が今、国を維持することが困難なほどの債務国になってしまっている。何故、このような評価を下されているのか。これらの国に比べてはるかに国家の借金が多額な日本がなぜ同じ評価にならないのか。ぜひ考えていただきたいと思うのです。国家の盛衰について見つめてみますと、これらの国と同じようにかつて巨大な国であったものが今日衰退している国家を見てみますと、エジプト、インド、パキスタン、アラビア諸国、中国等は皆、ここ百年の間に、他国に侵略されたり、植民地になったりして、近代社会に乗り遅れた国ばかりです。中国が今大いなる発展を遂げようとしていますが、ほんの少し前まで国内に海外の植民地、例えば香港、マカオなどを抱えていたのです。

なぜ、かつて世界に誇る繁栄を見た国々が現代のようになったのか、そして、国家の繁栄とはどのようなことを言うのかを考えてみる必要があるのです。これらの国々を見ていて思うことは、いかに大いなる繁栄を誇っていても、その繁栄はわずかの期間に過ぎずいつかは衰退してしまうということです。まさに仏教でいう諸行無常を国家の盛衰の中に見ることができると思うのです。

ところで、先週世界の中でどちらかというと貧しいといわれている小さな国、ブータンから若き国王夫妻が東日本の震災にあわれた人々を励ますことを主たる目的としてご訪問され、心からのお悔みと励ましのメッセージをいただき、多くの日本人が心を温かくすることができたのではなかろうかと思うのです。彼が発した日本人に対する言葉は、私たちが物の豊かさの中で失っていた精神の豊かさや、家族愛の大切さを呼び覚ますものでした。改めて、西欧的な豊かさと東洋の豊かさを見つめさせていただく中で、今後、私たちはどのような価値観を持って生きるべきか、また、いかに学ぶべきかを教えられたような気がしてなりません。ブータンという国は決して豊かではないのですが、国民の95%が自分たちのことを幸福であると感じている。では私たちはどうなのか。生活が便利になり、あふれるばかりの物に恵まれているのですが、そのことに感謝できなくなっている私たち。何を持って豊かな国とするのか、豊かな国民とするのか、ここで改めて考える必要がありそうです。さて、本日の話はこれで終わりです。本日も私の話に耳を傾けていただき、感謝します。どうも有り難う。
                  (11月22日 合同朝礼)